
世界に誇れる「人」と「技術」を売る
はじめに
海外のアパレルブランドに向けた営業を担う杉山。毎朝の共有スペースの清掃に始まり、平塚本社出勤時は全セクションに足を運び、挨拶をしてから仕事を始めるというルーティンを大切にするなど、人間関係の構築に重きを置いている。柔らかな物腰である一方、彼が確信を持つSAABの技術と人の魅力を海外に発信していく姿勢は力強い。そんな杉山に、SAABで働く魅力や目標を聞いた。
Text:Sayoko Iimuro Photo:Jun Katsumata

仕事内容(前職〜SAABの強み) 01 : SAABを選んだ理由
ーーお仕事内容を教えてください。
杉山:
SAABが誇るMade in Japan また Made in Cambodiaのクオリティを海外のアパレルブランドに届ける営業をしています。また、SAABが昨今注力しているサステナビリティの分野において、OCS認証(オーガニック(認証材)の工程管理の要件を満たす認証制度)の取得、各工場との連携と運営管理も担当しています。
学生の頃から英語を使って世界との仕事をしたいと考えていて、前職では専門商社の繊維部門でMade in Japanの生地を海外に売る営業をしていました。ずっと衣服に携わっている理由は、「手に取る人の気持ちを華やかにしたい」という想いから。衣食住で考えると、衣の優先順位はどうしても最後になってしまいますが、「これが欲しい」「これを着たい!」と気持ちを高揚させられる大切な要素だと考えています。だからこそ、きちんとした商品を届けられる仕事がしたい、日本の素晴らしい技術によって生まれる衣服を世界に届けたいと思っていました。
ーーSAABに転職した理由は?
前職でアップサイクルデニムを扱うプロジェクトを企画開発した時に、SAABと出会いました。僕はキャリアを考える上で「Made in Japanの商品を扱う」ことを重視しています。SAABは創業時よりデニムの世界的なトップブランドから選ばれる加工技術を有していることを知り、魅力的だと感じました。お客様と顔と顔を合わせて進めていく営業の仕事において、自信を持って営業できること、この魅力を届けていきたいと思えたことが転職の決め手でしたね。実際、自社で製造・加工した商品を持ってお客様へ直接ご提案をできること、また作った人の顔が見えているからこそ外部からの評価を頂ける際の喜びは大きく、誇らしい気持ちになります。さらに、現場では技術力の高さに甘んじず常に新たな加工手法、表現へのチャレンジを続けているので、毎シーズンお客様へ新鮮な提案ができる楽しさもあります。

SAABだからできるチャレンジとは? 02:SAABだからできるチャレンジ
ーー新たな加工手法、表現へのチャレンジとは?
SAABの特徴として、年2回自社で展示会を開催しています。そもそも、デニムの加工場が自分たちで展示会をするというのはとても珍しいこと。展示会の場で自分たちが「かっこいい」と思う加工手法をブランド側に発信できるのは、下請けに留まらない面白さがあります。その提案をもとに、ブランドからの受注が決まることも多いんですよ。
また、日々の営業活動についても、遊び心を持ったプレゼンでSAABの技術力の高さを伝えたいと思っています。先日、ディベロッパー の野口と共に海外出張プレゼンに出掛けた際に、彼を売り込みたいと思い、提案サンプルの中にスペシャルな2本を用意しました。1本は、私が10年穿いて育てたデニム。もう1本は、私のデニムを模して野口が1週間で加工仕上げしてくれたデニム。プレゼンの際、「どっちが10年物で、どちらが1週間で加工仕上げした提案サンプルか」という説明の後の、お客様の「Wow!!」が何よりも嬉しく、SAABの加工技術の高さは本物だと感じました。もう全てが誇らしいですよね(笑)。「これはね、彼(ディベロッパーの野口まこと)が作ったMAKOTO WASHと言うネーミングだよ!」と、ディベロッパーの技術力を売り込むことに成功したエピソードのひとつですね。
扱う品はデニムですが、僕はSAABの技術力を世界に向けて売っていると考えています。そしてその技術を有する開発のメンバーは、毎日毎日デニムを触り続けて、加工の表現を追求し続ける職人です。1本のデニムを仕上げるまで挑戦し続けた彼らの真摯さ、ひいては人柄も一緒にプレゼンしていると思っています。理想としては、お客様にSAABを好きになってもらって、良い商品を作ってお届けして、お客様にも商売を継続してもらうことです。

SAABの好きなところ・魅力 03:SAABの強み / 日本で唯一、世界と並べる生産背景を持つ
ーーもう1つの役割、サステナビリティへの取り組みとは?
SAABの新たな強みになるサステナビリティの構築です。海外に向けた営業をしていると、企業としてサステナビリティに取り組むのは必須事項。我々の競合はイタリアやトルコ、Made in Cambodiaの場合は中国やベトナム、バングラディシュです。その中で、Made in Japan・SAAB Madeとしてどうやったら負けないモノづくりをできるのか?となった時に、サステナビリティに関する取り組みは大きな価値になると考えました。
今まさに取り組んでいるサステナビリティの中の1つ、オーガニックコットンの認証(OCS認証)は、実は日本では非常に取得が難しい認証なんです。というのも、日本のアパレル産業は、糸・染め・織り・縫製・加工・出荷…と工程ごとに分業しているケースが多く、川上から川下まで工程に関わるすべての企業が認証を取得していなければならないため、取りまとめの部分で非常にハードルが高い。しかし、SAABは縫製〜出荷までを一気通貫で請け負うため、認証取得とハンドリングが叶います。自社の生産体制は、国内他社との差別化はもちろん、海外に向けてもMade in Japanとサステナビリティを両立した価値を打ち出せます。
SAABの歴史の中で磨かれてきた技術力・人柄、そこにプラスする価値として、サステナビリティは当たり前になっていると思います。

未来 04 : 今後の目標
ーー今後の目標を教えてください。
営業として、SAABの価値をしっかりと発信していくことです。そして、品質の高いデニムを届けるために、現場の皆さんの働きやすい環境づくりにも力を入れていきたいですね。現場が自信を持って生み出すものを営業できれば、僕も幸せですから。そのために営業として、お客様の声を聞ける立場にあるので、受け取った評価をきちんと現場に伝えていくことはより意識していきたいです。
ーー杉山さんからみた、SAABとは?
「唯一無二の国内デニムメーカー」です。日本国内でこれだけの規模でモノづくりができるメーカー、かつOCS認証を持っているのは、SAABしかありません。世界的なトップブランドがパートナーとしてSAABを選ぶ、その事実に誇りを持ちながら、おごらずに高みを目指していきたい。まだまだ道半ばではありますが、SAABの挑戦がMade in Japanの価値をさらに上げ、日本のデニム業界全体を盛り上げる存在になれたら。そこまで上り詰めたいですね。

RECOMMEND
NEXT CONTENTS